CPAPの機能と効果3|You-MOST
2020/03/16
ランプタイムと呼気圧力軽減
ランプタイムから解説します。
とても単純な機能です。
CPAPを作動させてから即入眠に至る人はほとんどいませんよね?・・・結構いるか?
作動してからすぐに処方圧力になったりすると眠れない人もいますので、ある程度の時間をかけて圧力を変化させていく機能がランプタイムです。
Auto CPAPで使うと圧力の変化が起こるまでの「移行時間」という表現になります。
どちらの場合でも「眠りにつくまで心地よい程度で動かす」猶予の時間を設定します。
通常、15分刻みで45分までで設定されます。
最近の器械は、呼吸のパターンから「あっ、この人寝ている」ということを感知して、圧力を変化させていく機能を持った器械も出ています。
ランプの時間設定にAutoがある器械はこの機能ですね。
次に「呼気圧力の軽減」機能について説明します。
この機能はPhillips(当時はRespironics社)のCPAPで搭載され、とてつもなく素晴らしい機能が開発されたと思いました。
C-Flexと呼ばれる機能なのですが、CPAPの治療では陽圧で気道を拡げるためその圧力が呼気時に抵抗感がある結果を招いてしまっていました。
それをこのC-Flexという機能が払拭してくれたんです。
「吐きづらい」呼気がしにくい・・・という表現がわかりやすいでしょうか?
SASの原因となる舌根沈下を防ぐために圧力をかけるため、呼吸をする患者さんによっては抵抗感を強く感じる人がいます。
日頃の呼吸では「呼気」は意識しないはず。ところがCPAPを使うとその圧力を押し返そうと意識してしまうので抵抗感と感じてしまうのです。
ろうそくを吹き消すかのように「フーッ」ってする必要はありません。力を抜くだけで自然に呼気はできています。圧力をかけているので、いつもより肺に空気が残っていますが、それを吐き出す必要はありませんよ!と、教えてあげてください。
そう言っても、吐けない・・・と感じる方には呼気軽減機能ですね。
C-FlexやEPRといった機能を使いましょう。
この機能を使った方がいい人は他にもいます。
Auto CPAPを使っていて圧力が上昇してくるとリーク(漏れ)が増えてしまう人です。これは圧力上昇に伴い鼻呼吸で呼気抵抗を感じ、無意識に口を開けてしまう現象が原因なのでしょう。
圧力が上がってくると使えなくなる人にも呼気軽減機能を付加することで使えるようになる方もいます。
だったら、誰にでも呼気軽減機能を付けた方がいいのではないか?と思いがちです。
しかし、私はこの呼気軽減機能は好きではありません。先生によってはSASの人にPS(プレッシャーサポート)をかける必要はないとおっしゃる先生もいます。何故?はまた今度!
CPAPを使う側にも使わせる側にも正しい知識を身に着けてもらいたいですね!
まだ続きます。